幕末パノラマ
記憶の底に沈んでしまった彼女
思い出してからずっと会いたかった彼女が今、目の前にいる
足を進め、手を伸ばせば届く距離にいる
「真夏...」
もう一度そう呼ぶと彼女は瞳には涙がじわじわと溢れてくる
「なんでっ..なんでっ‼︎‼︎」
白い肌を濡らす涙
彼女はカランと音を立てながら刀を落とし口を覆う
真夏、真夏..真夏!!!!
膨れ上がる君への想い
ここに居たんだね
そう言って抱きしめたいはずなのに足が動かない
何故だ?
遠くから聞こえる土方さんの怒鳴り声の様な俺らを探す声
*