幕末パノラマ




涙で顔がぐちゃぐちゃになってもなお、涙は流れ続ける



こんな私、春には見て欲しくなかった



人を殺した私なんて...



最早あなたのもとに戻れるわけがない





「真夏...」



そっと私の部屋に入ってくる稔麿様



ああ、今夜だけこの屋敷に稔麿様は泊まるんだったけ?



言わなきゃ、失敗してしまったと、



顔を見られてしまったと、





私と同じ未来から来た春が...いたと、





けど、口がうまく動かない





きっととてつもなくみっともない格好してしまっている



瞳からの涙が止まらない




「う、あっ、あぁぁあああぁっ!!!」






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