幕末パノラマ




今はそれが精一杯



名前以外は怖くて何も言えなかった



「真夏..か、珍しい名だな



じゃあ、真夏今日はもう寝ろ、寝て体休めてまた、明日何か教えてくれ」



高杉さんはそう言うと私に5畳ほどの部屋と女物の着物と布団を貸してくれると私のいる場所を後にした



きっと、高杉さんはいい人なのだろう



こんな素性のしれない女にここまでの事をしてくれる




そっと外を見ると雲の隙間から溢れる月明かり



明かりのない街


空気が澄み切ったこの世界




あまりにも平成とはかけ離れている



そこにいる平成の私って


「この世界に...



不釣り合い」






虚しい声が屋敷の中に響いた





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