幕末パノラマ
「..........分かった」
沈黙の後、稔麿様の言葉から発せられるその言葉
「稔麿様っ!!!」
「だが、危ないと思った時はすぐにでもお前には逃げてもらう」
「はいっ、はいっ!」
こみ上げる嬉しさ
涙が頬を伝う
ねえ、春
もしかしたら貴方と今夜刀を交えてしまうのかかもしれない
これはあくまで私の予想だけど
きっと、そう
今夜は貴方と私の決断の時
春、私の答えはもう決まってるよ
春は...決まった?
夕焼けに染まる空に三〜五匹ほどの赤とんぼが自由に飛んでいた
*