幕末パノラマ
・池田屋事件の夜
ガヤガヤと騒がしくなる夜の京
それと同時に私の胸の中の嫌なざわめきも大きくなる
「やはり...戻るか?」
「いいえ、戻りません」
不安な表情の私を見たのか、稔麿様は私にそう言う
ここで一人、長州屋敷に帰るわけには行かない
もう、来た
ここ池田屋に
落ち着いた雰囲気の店で何度か私も来たことがあるけど、その落ち着いた雰囲気が今日は何処かの怖く感じる
二階の隅の部屋で話し合いを始めた稔麿様達
古高様を助ける為の話し合いや、これからどう作戦を変更するか、話し合うことは時間が惜しいほどたくさんある
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