幕末パノラマ





・池田屋事件の夜




ガヤガヤと騒がしくなる夜の京





それと同時に私の胸の中の嫌なざわめきも大きくなる




「やはり...戻るか?」




「いいえ、戻りません」




不安な表情の私を見たのか、稔麿様は私にそう言う



ここで一人、長州屋敷に帰るわけには行かない



もう、来た



ここ池田屋に



落ち着いた雰囲気の店で何度か私も来たことがあるけど、その落ち着いた雰囲気が今日は何処かの怖く感じる



二階の隅の部屋で話し合いを始めた稔麿様達



古高様を助ける為の話し合いや、これからどう作戦を変更するか、話し合うことは時間が惜しいほどたくさんある






< 187 / 241 >

この作品をシェア

pagetop