幕末パノラマ
「春、お前は自分で選んでいいぞ」
「は?」
「は?じゃねぇーだろ阿呆、四国屋か池田屋自分で好きな方に行きやがれ」
悪態をつきつつも、そんなことを言うと浅葱色の羽織を羽織る土方
それがなかなか様になっていて男の俺でもかっこいいと思う
「じゃあ、俺は土方さんのいない池田屋で」
なんかそれが妙に悔しくてついそう言うと眉間に皺をよせる土方
「お前、後で覚えてろよ...」
「生きてたら..覚えててもいいですよ」
”生きてたら”なんて悲しいことを言うつもりはなかった
もしかしたら数時間後誰かが、もしくは俺が死んでる、この世から消えるなんて嫌な事だ
けど、今から行うことはそんな事
結果的に誰かが喜ぶとしても、命の消し合いということは誰も喜ばない
そんな悲しい事
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