幕末パノラマ





「稔麿様っ!!!」




私がそう叫ぶ時にはその場の人全員が抜刀して今にも押しかけてくる新選組を斬らんとしていた




「真夏、お前はここにいろ、消して出るな!」



「そんなっ、私も、私も戦います!」




その為にきたのだ


守るために




「駄目だ!それだけは駄目だ!!」



稔麿様の激しい声



こんな取り乱した声を聞くのは初めてかもしれない



「でもっ...!!!」




「心配はいらぬ、必ずしのいでみせる。
その時にはあの時の返事を...聞かせてくれ」

私の頬を包み込む稔麿様の手


温かい、この手がもし冷たくなったら...


そう思うと涙が溢れそうになる





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