幕末パノラマ





「......」




目の前にいるのは外を向きながら窓の淵に座っている真夏の姿




部屋になおびただしいほどの血が辺り全体に広がっており、首の飛ばされた遺体が一つだけ転がっていた




「真夏...」


彼女の元へと一歩踏みだぞうとしたときだった



「来ないでっ!!!」



悲痛な叫び声が部屋に響き渡る




ポロポロと真夏の瞳から落ちる涙



止まることなく一つまた一つと畳に落ちてゆく




「私ってね...ひどい奴なの、助けたくれた恩人を殺したり、罪もない人を殺したり、前まで仲間だった人を殺したり...



生きる為ならなんでもしてしまう

酷いひどい人間、血で染まってる」




自分の手を見つめながらそう言う真夏







< 209 / 241 >

この作品をシェア

pagetop