幕末パノラマ





ピッと下の庭で遊んでいる二人を指差すとゆっくりと足を進めてベランダへと足を踏み入れる真夏



「ああっ!!また秋も冬真もあんなに服汚して!!洗うこっちの身にもなってよぉー!」


「ぷはっ、言うと思った」


項垂れる真夏を横目で見ながら笑いをこらえる



「もーぅ、何度怒ったって懲りないんだから...」



真夏は半分呆れの入った表情でベランダを出て俺の机で足を止める



「あ...、これ、出来たんだ」



「ん?ああ、それか...、出来たよ」


それはさっき出来上がったばかりの俺と真夏そして、新選組、長州の悲しく、優しい物語


「もう、十年か...早い、というか、早すぎたわ」



「そうだな、早すぎたな、けど、深い日々だったような気がするよ」



俺はそう言いながら後ろから真夏を抱きしめ、首に顔を埋める


こっちに帰ってきてか新選組の事を俺は調べ上げた




近藤さん

総司

斎藤さん

永倉さん

平助

原田さん


そして、土方


それぞれの終着点は違ったが最期はみんなそれぞれらしい死に様だったと思う



死に方は生き方


本当にそんな感じだった



そんな事を思うと真夏を抱きしめる腕の力が強くなる

さっき、秋の言った”えっちぃー”が脳に浮かぶが、これはそこまでしてない、というか、これは夫婦のスキンシップ




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