幕末パノラマ
「ねえ、春」
「ん?なんだ?」
「その..あのっ、大好き...」
マフラーで顔を隠しながら真夏はそう言う
一瞬、びっくりしたが、俺はいつもの平常心を保ちつつ、壊れそうな理性をなんとか押さえ込んだ
「知ってる、それに俺、その倍真夏の事好きだし」
人がいなかったら多分ギューーーーっと強く強く抱きしめていたかもしれない
徐々に街に入って行き、イルミネーションらしき明かりも見えてくる
人通りも、車も多い
けれどこの手は、この手だけは離すまいそう思っていた
*