このままずっと
ダンッダンッダンッーーー
階段を降りる音が響く。
それと同時に
腰に巻いてあるカーディガンが揺れる。
「なんで、桜ちゃんってさ、
すぐに彼女を
コロコロ変えちゃうんだろうね」
後ろにいる凛に話しかけると
凛は笑っていた。
「さぁーね
まぁ、あいつモテるし
ほんとにあいつが好きなら
いいんじゃね?
ってか、
そんなの今に始まったこと
じゃねぇーだろっ」
たしかに…
桜ちゃんは中学の頃から
付き合っては別れてまた付き合っては別れてを
繰り返してきている。
「あたしはさ、
あんなのが幼なじみで恥ずかしいよ
あ、凛?
なんであたしを探しに来たの?」
今はお昼の時間。
いろいろな教室から
賑やかな声が聞こえてくる。
「あっ、そうだった
さっき
恋緒のお母さんからメールがあって
杏花(キョウカ)がこっちに帰ってくるらしい」
・・・杏花が?
日向 杏花(ヒナタ キョウカ)
あたしの幼なじみ。
そう。
あたし、凛、桜太、杏花の4人は家が近所であったりすることから昔っからの仲で小、中、高と一緒。
幼なじみということだ。
そんななか小学校1年生のとき、杏花は突然引っ越した。
「えぇーほんと?」
思わず大きな声が。
するとあたしの声にビックリしたのか
まわりのみんながこっちを見た。
「バカ
おまえ声でけぇー」
まわりに軽くお辞儀をすると
まわりは普通に戻った。
「今日、杏花が帰ってくるって。
だから、
おまえに早く帰るように伝えてってさ」
・・・?
お母さんは
なぜあたしにメールしてこない?
「っあれ
あれ~ないよ
おかしいな」
制服のありとあらゆるポケットを探したが見つからない。
「携帯家に置いてきちゃったよ」
えへへ~と笑うと凛はフッと笑った。
「ほんとにおまえはバカだ。
アホだ。マヌケだ。」
凛はあたしのことを
言いたい放題言う。
「だから、おまえはほっとけねー」