手を取り合って…
《奏太》

オレは今、自分の親の前で固まってしまっている。こうなりたくて、なったわけではもちろんない。しかし、冬島さんを助けることもできないでいる。

ほんとうに、困った。


「君はどうやって、奏太と出会ってどこがいいと思ったのだね?」

「あなたは、ほんとに奏太のことが好きなの?結婚前提に付き合ってるってほんと?今後はどうするの??」


などなど、思った以上にすごい攻めてきている

まるで、俺に口を挟ませないような感じだ。間なんてひとつもありゃしない。

隣で冬島さんは一つ一つ丁寧に答えている。
とても、俺には出来ない。

ほんとにすごい子だ。


「おい、奏太。固まってないでホントの事を言ったらどうなんだ。」



ありゃ?バレた感じ?
逃げた方がいい?


「どうゆうことだ?その子ほんとに彼女だよ?何を言ってるんだよ。」

「お前が嘘ついてる事ぐらい父さんが見抜けないとでも思ったか。ホントは彼女でもない。だだの後輩女の子だろ?」

「な、何言ってんだよ!?」

「だから、ただお願いしただけの子でしょ??結婚したくないのわかったから帰りなさい。」

「おふくろまで。なんで、二人ともわかるんだよ!」

「お前の顔に書いてある。」

「あんたの顔に書いてある。」

「あーーー、そうだよ。ただの後輩で飲み仲間だよ。あまりにもおふくろたちがうるさいから彼女役をお願いしたんだ。」

「やっぱりー。冬島さん、うちのがゴメンネ。迷惑かけて。」

「あ、いえ。別に。でも。ほんとにいい人ですよ。奏太さんは…。」

「そう、仲がいいなら別にいいけど。ご飯食べてく?」

「じゃあ、お見合いの話や結婚話はまだまだなしだな。」

「悪いな、オヤジ。おふくろも。」

「いいわよ、いつものことだもの。そんなことより、ご飯食べてく?」

「いや、いいや。帰るよ。ね、冬島さん。」

「はい。そこまでお世話になるわけ行きませんし。帰ります。」

「じゃぁ、俺ら帰るわ。じゃあな。」

「わかったよ。じやあな、奏太。」

「またね、冬島さん。あ、そうそう冬島さん」

「はい?」

「奏太のこと好きでしょ。自信持っていいわよ。あの子も…ウフッ」

「なんで、わかるんですか!?わかりました、がんばります。」

「冬島さん、いくぞーー!!」

「あ、はぁーい!!、」

「では、お邪魔しました。」


やっと来たよー

おふくろがなんか吹き込んでたみたいだけど、へー気かな。心配だ。まぁ、いいや。帰るか、

そっと隣を見ると………





「また、この子寝てる…」





そっと眠る楓香にキスを落とした…





チュッ
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