タイムリミット~何度、愛してると言えますか?~
 キーンコーンカーンコーン

現実に戻されるようなチャイム。
わたしたちは、パッと手を離す。

「あ、えっと、教室に戻るねっ。」
「おう。」

どうしよう、なんだか顔が見れない。でも、もう一度、恭平の顔が見たい‥かも。

そろそろと目だけあげると、バッチリと交わる視線。
ドキン!と心臓が跳ねて、顔をそらした。

「じゃ、またあとでねっ。」

言いながら駆け出そうとして後ろを向くと、再びつかまれる手。

「‥‥帰り、一緒にかえろう。」
「‥っきょう‥」

つかまれた手をひきながら、恭平はそっとわたしの耳元でささやく。
触れる吐息に、ぞくりとしびれた。

恭平が立ち去るのを感じ、つかまれた手を開くと苺のキャンディー。

「ありがとう、恭平。」

後ろ姿にそっとつぶやいた。
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