タイムリミット~何度、愛してると言えますか?~
 「じゃあ、戻るね。ちゃんと授業うけなよ?」
「あ、くるみ。」

ポンと恭平はわたしに向かって何かを投げる。
両手で受け取り、そっと開くと‥‥

「ふふ、ありがとう。」
「ん、どういたしまして。」

いつもの苺のキャンディー。ピンクのかわいい包み紙は恭平には、不似合い。
それでも、いつも、いつも、くれるんだ。
わたしが苺、好きだから。

恭平に病気のこと打ち明けてから、くれるようになったから、これは恭平の小さな優しさ。

胸の奥がくすぐったくって、なんだかあたたかい。

この不思議な気持ち、恭平にしか感じないんだ。
< 6 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop