タイムリミット~何度、愛してると言えますか?~
 教室に戻る途中、中庭に一本だけ咲いている桜の木を、廊下の窓から見た。

なにげない、その風景にも足を止めて眺めてしまうのは‥‥きっと、わたしにとっては、最後の桜だから。

来年はもう、見れないだろう。

今、こうして廊下ですれ違う人とだって
あと何回、すれ違えるだろう。

他の人には、この先、数え切れない程の未来があっても、わたしにはないんだ。

今、ここにあるものがわたしにとっては最後。
この恋も‥きっと、最後の恋。

< 7 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop