タイムリミット~何度、愛してると言えますか?~
 「もう、手紙読んだかな。」

はあ、とため息をつき下を向いた瞬間

ーーーーギュッ。

「??」

右手を誰かがつかみ、わたしの隣に立った。顔を上げてみると‥‥

「え、うそ、恭平?」

驚いて声をあげるけど、恭平は真っすぐと桜の木を見たまま。
凛とした横顔はいつも通りーーじゃない。
うそでしょう?ほおと耳が、赤い。

「きょ、恭平ってば‥これ、どういうこと?」

わたしも顔が赤くなるのを感じながら、にぎられた右手をわずかに動かす。

一瞬、手が離れたと思ったらまたすぐにくっつき、指と指が絡まる。

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