MY DEAR…
優歌さんは優しい笑顔を向けてくれた。
ベッドの上に寝かされ、優歌さんは持ってきたお粥を手元に置く。
小さな土鍋に入ったお粥を受け皿に入れて冷ましてくれる。
「はい、優歌ちゃん。」
優歌さんはレンゲに掬ったお粥をあたしの口元に持ってくる。
「良い!ガキじゃないんだから、自分で食べれる!」
あたしは赤い顔を隠して、毛布を引き上げる。
「優歌ちゃん…。」
優歌さんは少し淋しげにあたしの名前を呼んだ。
「……。」
あたしは毛布を頭から被ったまま何も言わなかった。
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