MY DEAR…
それでも優歌さんは離そうとしない。
「あーっ、もうっ。あまりしつこいと“お姉ちゃん”なんて呼ばないぞっ!!」
あたしの一言に優歌さん…、お姉ちゃんの動きが止まった。
「優歌ちゃん…、もしかして呼んでくれるの…?」
お姉ちゃんの期待に満ちた眼差しに、あたしは恥ずかしくなって布団に潜り込む。
「あんまりしつこくしなければな…。」
「……っ。」
お姉ちゃんは瞳を輝かせて、声にならない喜びを示した。
その時…。
「ただいま…。」
部屋の外から男の声が聞こえた。
聞き覚えのある声…、竹下だった。
竹下の声が聞こえた途端、お姉ちゃんは立ち上がる。
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