MY DEAR…
「優歌…。」
竹下は箸を持つ手を止めて静かに止める。
「あ…。やっぱりお家に帰るの?」
お姉ちゃんはバツの悪そうな顔をして、あたしに聞く。
「……。」
あたしは何も答えず黙って下を俯く。
「これ以上迷惑かけないから、すぐ出て行くから…。」
「優歌ちゃん…。」
あたしは溢れそうになる涙を堪えて、力強く拳を作った。
「…行くとこ無いなら、ここにいれば良い。」
「え…?」
「悠哉?」
「朝比奈なら、優歌も文句ないはずだ。
それに自分の教え子を路頭に迷わせるわけにはいかない。」
「悠哉…っ!」
お姉ちゃんは嬉しそうに顔を輝かせる。
< 57 / 61 >

この作品をシェア

pagetop