secret heaven〜彼らは確かにそこにいる〜
無言でハナビシさんに何かを渡すと、定位置なのかあの窓際の椅子にどっぷり座り煙草をくわえた。
『ご苦労さん。急だったけど、どこまでいけた?』
「居場所が分かれば充分だろ」
『おお、さすが。ほらクド、中里の居場所』
放物線を描いてソファーにいるクドちゃんにそれは落ちる。
あれはUSBメモリ。
『篠崎さん。明日には中里の事は終わりますよ』
居場所がわかったとは、そういう事だったのか…。
「…ありがとうございます」
保証人からの解放。
私はそれだけで充分満足だ。
だけど、きっと彼らはこれだけじゃ終わらない。