secret heaven〜彼らは確かにそこにいる〜
クドは"モエ"と言うワードを聞くと、バツの悪そうな顔を作る。
そして長いテーブルとセットのようになって並んでいる足の長い椅子の一つに座ってそっぽを向いた。
『んー…、これ跡残っちゃうかな。明日にでも病院に行こうか』
「……えっ」
『ちゃんとした所で見てもらった方がいいよ?』
無数にある身体中の痣や火傷の跡。
誰がどう見たって不審に思われる。ただ転んだだけなんて言い訳にもなりはしない。
「…大丈夫です。それより―…」
丁寧に傷の手当てをしてくれている彼に目を向ける。
ここは、何処だろう。
私は籠の中にいたはずなのに。
それにアナタたちは一体、誰?