secret heaven〜彼らは確かにそこにいる〜
「はっ…無理だろ」
モエさんは、早々に食事を済ませるとソファーに座り直し、煙草に火をつけながらそう呟いていた。
「んだと、コラ!!自分が三十路近いからって当たるなよ!!おっさん」
「…………」
「おい!!おっさん。シカトすんなよ」
「…………」
モエさんは、完全にシカトを決め込んだようだ。
クドがいくら罵っても反応が返ってこない。
それに腹を立てたクドは、椅子から立ち上がりモエさんに近づいていった。
『騒がしくてごめんね。あいつらいつもあんな感じだから気にしないで』
「……はい」
取り分け気にしていないハナビシさんは何もないかのように黙々と箸を動かしていた。