secret heaven〜彼らは確かにそこにいる〜
ハナビシさんの姿が見えなくなったと思ったら、そこからモエさんが出てきて、あの一人掛けのソファに座った。
「仕事だよ、仕事。遊びに行くんじゃないよ?」
『クド、最近働きすぎ。また2時に出るんでしょ。少しでも寝てないと』
「あの部屋のどこで寝てろって?依頼書で埋もれるわ!!」
『寝るスペースくらいある。でしょ、モエ?』
「………」
今回もまたモエさんは戦線離脱したようだ。
ハナビシさんの投げ掛けに反応を見せず、カーテンの隙間から窓の外を見ている。
月明かりに照らされているモエさんは、じっと一点を見つめピクリとも動かない。
またそれが絵になっている。