secret heaven〜彼らは確かにそこにいる〜
『さっ、はやく部屋に戻って』
「えー!!やだ、やだ、やだ!!」
『クド、ホントに怒るよ。モエ!!』
呼ばれたモエさんは、ため息を漏らすと静かに立ち上がり再び階段へと消えて行った。
ここは凄く賑やかだ。
こんな場所に居るのは久しぶりだな。
それに、会話らしい会話をしたのも。
人と接すること事態、籠の中ではあり得なかった。
どこか、知らない世界にポツンと1人飛ばされた感覚だった。
当たり前だった事が当たり前じゃなくなり、
そのうち当たり前じゃない事が当たり前だと思うようになった。
だからもう何もかも諦めていた私がいた。
明日を望めば明日に絶望する毎日に終わりを告げたかった。
全ての事に終止符を。
この日常に終焉を。