secret heaven〜彼らは確かにそこにいる〜
車内ではアニソンが終わり、次に演歌が流れたいた時、先ほどまで聴いていたアニソンが間を割ってもう1度流れだした。
そのリズミカルな音とは裏腹に、クドの表情が曇った。
クドは音の出所でもあったスマホを耳に当てると、何も言わずに通話を終わらせた。
「モエ、急げ。奴に先を越された」
そう言ったクドの声は、今まで聞いたことのない、酷く低いものだった。
車は法廷速度をオーバーし、信号の多い国道を避け、細い路地を走っていく。
なに? どうしたの?
何が起きてるの?