secret heaven〜彼らは確かにそこにいる〜
「おい、あぶねぇだろ」
あと少しでクドに手が届く所で、私は呆気なくモエさんに止められてしまった。
どうして、どうして止めるんですか!?
クドが馬鹿な事してるのに!!
掴まれた腕をほどこうとするけど、なかなか放してはくれない。
「落ち着け。お前が行ったら余計にアイツが危なくなる」
「でも!!」
「アイツを信じてやれ」
モエさんは、クドをしっかり見つめながら言葉を漏らす。
クドを信じる?
そりゃ私だって信じたい。信じたいけど目の前の光景にどう信じたらいいのか分からない。
「約束したはずだ。楽園に連れて行くと」
「…楽園」
「アイツはどうしようもない馬鹿だが約束は必ず守る」
お前が望まない結末にはならない。