secret heaven〜彼らは確かにそこにいる〜
第1章
赤い月
助けて、助けて。
誰でもいいから、私を助けて。
お願い。
この籠の中から私を連れ出して。
「おい、飯だ。さっさと食え!!」
乱暴に床に叩き付けられたのは、コンビニで売っているメロンパンと小さなパックのお茶。
食べたい。
お腹が空いた。
喉も渇いてる。
だけど、それを掴む事が出来ない。
「あ?いらねぇのかよ。だったら初めからそう言えよ!!」
うつ伏せになっていた私の身体が宙に浮き、鈍い音をたてて仰向けに体位が変わった。