secret heaven〜彼らは確かにそこにいる〜
どうせ無一文。
だったら、とことん無一文になってやると、財布の中にある全財産8,206円を使う事にした。
ネオン街から離れたひっそりと佇む小さなBar。
今の私にはお似合いの場所だ。
足を踏み入れると、心地のよいBGMと淡い光を放つ照明。
そして、カウンターにポツンと座る1人の少女がいた。
マスターに度数の高いカクテルを注文し、やけ酒ばりに一気に喉に流し込んだ。
喉が焼けるような強い刺激。
私には、この刺激さえも心地のよいものだった。