焦がれて

"俺の好きな子と"


そう答えたショウヘイさん



どうして今更思い出したんだろう。私もショウヘイさんも、もう遅い。



でもそんな思いとは裏腹にいろんなことが繋がって、いろんなことが自分の心の中で片付いていってしまう。



「ふふ」


「なに笑ってんの？」


「ううん、そろそろでよっか」


「え、あうん」


怪訝そうな顔をするユウちゃんを見てるとまた笑えてくる



「新しい恋、したいなぁ」


「…え、どうしたのアイ!変なものでも食べちゃった？」


やっぱり笑えてくる


「ううん、なんか踏ん切りついちゃった。悩んでたあたしがバカバカしいや」


「…見てて辛くなっちゃったの？」


「ううん」


そんなんじゃなくて、"好きな子と"と答えた彼を思い出すとなんだか自分の想いなんてちっぽけに思えてくる


絶対苦しいはずなのに一緒にいることを選んでる彼は、今も好きなのかな



だとしたら、


"好きな子と"似てるあたしって、チャンスある？



「ユウちゃんごめんね？」


「は？何が？」



少しだけ芽生えた感情


「でもユウちゃん彼氏いるからね。」


だから許してね？