焦がれて


「あ、ヨウちゃんとは比べないでね!!あたしヨウちゃんくらいモテる人とか無理だからね。」


「…地味に俺傷つけられたんですけど」


「だって、ヨウちゃんの彼女になろうと思ったら大変だよ。」


「俺のバイト仲間、もっと大変なやつ結構いるよ?俺絶対マシなほうだからな。」



どうにか自分の名誉を挽回したいらしい。妹に言い訳するヨウちゃんはかなりのシスコンだ。


ちなみにヨウちゃんのバイトってあれだからね。パパたちには内緒だけどお酒飲むところだからね。



「知ってる?そういうのってどんぐりの背比べって言うんだよー」


「あ、笑が難しい言葉使ってる。兄ちゃん感動した。」


「うわぁ、バカにされてる?知らない、もう寝る!」


「嘘だって。お菓子買ってやるからな?」


「…いつまでお菓子で釣られると思ってるの?」


そんなの小学…、高校一年生で卒業したよ


「まじか。大人になったんだなぁ。」


「ふふ、今更。あ、ヨウちゃんのせいで寝るの遅くなっちゃった!明日起きられないかもー。」



わざとらしく慌てたふりをすると、



「…送って行けばいいんだろ?」


「やったぁ!さすがヨウちゃんだよね!ほんと大好き!」



あたしの見え透いた思惑通りに動いてくれるヨウちゃん


こうやって甘やかされてるんだよね…



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