焦がれて
「陸人だ」
手を振るとこちらに歩み寄ってくる陸人
「どうして分かったの!」
ほかにも学生はいるのにどうして陸人が彼氏だって!兄弟パワー!?
「さぁ?なんでだろうな。初めまして。」
あたしの後ろまで来た陸人を見て妖艶に微笑むヨウちゃんは陸人に向かってその笑みを携えたまま挨拶をする。
「…初めまして」
陸人は戸惑いながらも挨拶を返す
「陸人、この人あたしの、」
「エミ?」
「…なに?」
いつもと少し違う、甘さを含んだ音色で呼ばれて戸惑う
「車から離れて、俺の紹介は後でいいから。俺帰るし、また夜な。」
「ああ、うんごめん。」