焦がれて


「すげぇ匂う。お前は兄貴とそんなに密着するわけ?」


「いや、密着っていうか。ベッドで寝たからで、」


「は?」


さらに鋭くなる視線に頭が動かなくなる



「いや、違う。ヨウちゃんがあたしのベッドで寝ちゃって!だから、あたしが、ヨウちゃんのベッドで寝たわけで…」


「…」


「一緒に寝たわけではなくて、ないのですよ…」


言い訳を終えても陸人の視線は鋭いまま。というか鋭さを増してる気が…



「ふーん、まぁ兄貴だもんなぁ」


陸人にも妹がいるから、分かると思う



「なぁ」


「えっ」


腕をつかまれてるほうとは反対の手で顎を掴まれる


「キスしてやろっか?」


腕から腰に腕を回され隙間がないくらい密着される


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