焦がれて


「お前ごときで喧嘩なんてしねーよ」


言葉とは裏腹に田嶋くんの顔は優しい



「玄関で待ってっから」


頭ポンポンとすると早く行くように私を急かす



そのまま少し後ろ髪惹かれる思いで図書室を出ると真っ直ぐ教室へ向かう



重い足取りを無理やり速める



あっという間に着いた教室


中を覗けば机に寝そべるショウヘイ君がいた



近付いても気付かないショウヘイ君は寝てるらしい



「ショウヘイ君」


ゆさゆさと机に窮屈そうに収まった体を揺する


「ん、」


「おはよ」


「んー寝った」



私が鞄を取りに行く間に体を起こしほぐすショウヘイ君


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