焦がれて
「…」
「帰っかー」
私が鞄を持ったのを確認して立ち上がるショウヘイ君
「…」
言葉が出ない
「…ん、どうした?帰んねーの?」
「あの、」
言わなきゃ
「あたし、今日は…」
ずっと逃げてた
見てるだけでいいって逃げてきた
幸せな恋がいいって逃げようとした
そんな私に舞い降りた幸せ
自分で掴んだものじゃない
だからせめて
逃げようとした罰は受けよう
それがショウヘイ君から嫌われることだというのなら