焦がれて



それから一気に沈黙が襲ってくる



耐えられずに顔を上げればそこに居たのは想像とは違う様子の彼




もっと、もっと怒ってると思ってたのに


あたしが思っていたより、ずっと、ずっと傷つけている



それだけあたしのことを想ってくれていた


その事実が心にのしかかり溢れてくる涙





「なんで、エミが泣くかなぁ…」


わかってる、泣く資格がないことくらい


わかってる、あたしが泣けば優しいショウヘイ君は怒ることすらできなくなってしまう



分かっているのに、涙を止められない私を助けたのは


やっぱり優しいショウヘイ君だった




「わりぃ、怒鳴って」


落ち着いた声で謝るショウヘイ君に思いっきり首を降る



「悪いの、あたしっだからっ」



「…まぁ、いいからさ。帰れよ」


やっぱり、私が泣いたせいで



「けど、」



「田嶋、待ってんだろ?」



その言葉を否定出来ないあたしはなんて残酷なことをしてるんだろう



「行ってやれ」


そう言って力なく笑うショウヘイ君に何も言い返せない




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