焦がれて




「今日、あたし…あたし田嶋くんと、帰る」



「…は?」


震える声の紡ぐ言葉が理解できない


田嶋?


意味が分からない


どうして、田嶋が出てくるのか






いみが、


わからない





「待っててもらってたのに、ごめんなさい」


大きく頭を下げた彼女を呆然と見つめる




ふとでてきたのは、


裏切り


という文字




「どーゆうこと」


自分の声が冷たい



「っ」


肩を震わせる彼女



「なぁ、田嶋と帰るって何?」


「ごめん、なさい」



なんだよ、ごめんなさいって



なんなんだよ、



「何だよっ、ごめんなさいって!」




思わず出た声の大きさに我に返った




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