焦がれて
それでも動かない彼女に言ったのは本音だった
「頼むから、さ。…これ以上、一緒に居たくねぇんだってっ!」
「っ」
何も言わずに教室を出て行く彼女
彼女の背中に、
涙が頬を伝った
もっと俺が鋭かったなら、二人の間に何かあることに気づけたのだろうか
今思い返せば、布石は確かにあったのに
俺よりも先に彼女を視界に入れていた陸人
そして、こちらを見ていたという笑
気付いていれば、こんなにも苦しい思いをしなくてすんだのだろうか
いや、それはないことくらい分かっている
きっと、分かっていても落ちたんだ