アンチ☆ファミリアルラブ


湊side



取られたくない一心で、感情任せで突っ走った行動をした。
自分がこんな…こんな、大胆なことができるなんて思いもしなかった。



襟を掴んだ手が震えるかと思ったけど
意外にも冷静だったみたいで…

だけど隆尚さんの首筋にキスした瞬間、一気に恥ずかしさが込み上げてきて
冷静ぢゃ居られなくなった。


どうしようもなく恥ずかしくて、この後どうしていいか分からなくなった…


正直、友達から聞いた話や漫画の知識しか無くて
実戦経験がないからこの先をどう進めればいいのかわからない。

……だけど勢いでここまでしちゃったなら、漫画にあったことを再現するしかないと思い、唇をゆっくり下へと移動させながら、脳みそをフル回転して次を思い出そうとしていた。


漫画では相手(漫画では相手は女だったけど…)のズボンをずらしていたのを思い出して、隆尚さんのズボンに手をかけた。





が、ここで予想外の障害が見つかった。





ベルトに行く手を阻まれてしまった。

ベルトなんて障害、漫画には無かった…。

無我夢中でベルトに手をかけた。
ベルトを見ずに外そうと躍起になるが、中々に難しくて苦戦。
やっとのことでベルトのバックルが外れそうになった時、
隆尚さんに肩を掴まれ押し離された。




予期してなかったことにそのまま後ろに尻餅をついた。
そう大して痛くはなかった。
びっくりしただけ。

だけど、拒否されたことにものすごく悲しくなった。

堪え切れず涙が出そうになったけど、隆尚さんの言葉にムッとして涙なんて引っ込んで、
とんでもない事を言い放ってしまった。








あんなこと言っちゃって、
かまってチャンなガキぢゃんって後悔した……。










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