アンチ☆ファミリアルラブ
隆尚side
気が付くと俺は、湊ちゃんを押し倒していた。
顔を涙でぐちゃぐちゃぐちにし息を荒げ……
服が乱れていた。
その姿を見た途端、俺は
一気に青ざめた。
一瞬にして頭に駆け巡ったのは
『少女暴行、教師(25)が生徒に乱暴……』
新聞の見出しだった………。
それと同時に
自分の仕出かした事を思い出した。
俺は湊ちゃんを組み敷いて……
乱暴、した…?
いやいやいやいや、まだ未遂なはずだ。
俺の愚息は不発だ!よしっ!!
……って、何が良しだぁぁぁぁぁぁ!!!
そうぢゃないだろ、俺っ!!
どーしよう…湊ちゃんを泣かせてしまった。
どうやって宥めたらいいんだ!?
「あ、の、湊ちゃ…」
「っ…」
「あの、湊ちゃん…ごめん…あ、」
「っっ、隆尚さんのっ……馬鹿ぁっっ!!」
「ぐゃっ!?」
湊ちゃんは俺の腹に思いっきり蹴りを入れてリビングを出ていった。
「ぐ~…いてて…」
あ、危なかった…
あと数センチで大事なとこに当たるとこだった…
それでなくとも痛い。
だけど、湊ちゃんを傷つけてしまったことのほうが
腹の痛みより、痛かった…。