クロニクル☆壱☆〜出会いと旅立ち〜
「よろしく!あ、自己紹介はまだだったよね。私は雪奈、鈴森雪奈だよ。彼方はなんて言うの?」
少女、雪奈は言った。しかし、少年は顔を暗くさせ
「俺に名などない」
「えっ?」
雪奈はびっくりした。人は大抵生まれた時に親から名前をもらう。
たとえ望まれなかろうとも。それなのに
「名前がないの?」
「あぁ」
「何故?」
「俺は望まれなかったからだよ」
その言葉に息を飲んだ。こんなに優しいのに・・・
「なら」
「?」
「私がつけるよ。彼方の名前!」
「!」