約束~青空の下でキミがおこした奇跡~



「うーん、任されてる仕事終わってるんなら、帰っていんじゃない?」



「わかったー!」



「真鈴、行くぞ」



突然、優太に手首を引っ張られた。



「優太? どこに行くの?」



「…」



「手、痛いよ、優太」



私が話しかけても無言のまま、優太はどこかに向かってる。



「……離してよ!」



きっと涙声だったと思う。



優太に引っ張られてる手が痛くて、無言の優太がこわくて、

私は、今にも泣き出しそうだから。



「さっきから変だよ? こんな優太嫌いっ!!」



私は、引っ張られている手を振りほどいて、来た道を戻ろうとした。




「……ごめん」



私は、優しく手を引かれ優太と向き合うようなかたちになった。



「ごめん、ごめんな、真鈴」



優太は、私の涙を優しく拭ってくれた。



「ねぇ、優太。 どうしてこんなことしたの?」

< 5 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop