俺の幼馴染が鈍感過ぎる
すぐには戻って来る様子ではなかったので、俺も探しに行きたいとは思いつつ、取り敢えず制鞄から教科書類を取り出して机に押し込み(片付けるというよりは、この表現の方が正しい気がする)、制鞄も片付けた。
制鞄をロッカーにポイっといれ終わった丁度その時、燈がゆうの手を握って帰ってきた。
「美波、優明と別れたんだろ?」
「さっきも、それ言ってたが…別れてねーよ?なぁ、ゆう」
もしかしたら、別れてないと思っているのは俺だけかもしれない。
「もう、別れる」
…うん、そうそう別れてなかったもんな。
「もう別れてる」じゃなく「もう、別れる」うん、日本語としては正しいな。
…俺の心情としては、間違った答えだがな。
「聞いてるの⁈もう、別れて。燈ちゃんと付き合う事にしたから」
…はぁ⁈
百歩譲って、別れる事は(嫌に決まってるが)許可しよう。
だが。
何故、燈と付き合う事になる?
こいつは、結構腹黒で、ゆうと付き合いたいと言っているのも、好きだから、じゃねぇんだぞ?