俺の幼馴染が鈍感過ぎる
高校に入って、なみは習慣のように毎日私に告白をして来る。
でも、なみはモテる。
だから、私に言ってるのは気紛れか何かでしょう?
「ねぇ、優明。どんな手を使って里を引き止めてるの?教えてよ」
「意外に、お金でも使ってるんじゃない?キャハハハッ」
私は、結構久々に女子に取り囲まれて、廊下の角、死角にいる。
私に言った言葉の何に受けたのか笑う女子。
…女子の笑い声は、頭に響く。
とても、うるさい。
そして、鬱陶しい。
「だって、そうでもしないとあんたじゃ里を引き止めてられないでしょう?」
私の、何を知っていると言うのか。
私の、何を見ていると言うのか。
何故、こんな事が言えるの?
大体、私だって…なみと幼馴染でもない限り、相手にもされない事はわかってるし。
なみは私を可愛いと言うけど、容姿は凡人並み。
成績だって平均的。
「おい、お前ら何やってんだよ?」
底冷えするほど冷たい声が、私を取り巻くうるさい女子を包んだ。
この声は、なみの声だ。
「お前ら、誰の許可をとってゆうを囲んでる?仲良くしてる訳じゃ…無いんだろう?」
声が、冷たい。
でも、私を幼馴染としてでも守ろうとしてくれていると言うのはわかるから、怖くない。
でも、私を取り巻く女子は怯んだようで、覚えてなさいよ!と、お決まりのセリフを言って去って行った。