俺の幼馴染が鈍感過ぎる
「大丈夫か?」
心の底から心配そうな顔で、聞いて来る。
「大丈夫に決まってる‼あんたに助けてもらわなくても平気だったし⁈」
あぁ…また。
私はどうやら、素直じゃない。
思った事なんて、言えない。
見栄を張って、意地を張って、迷惑かける。
「里くん!まだ、話は終わってないよー?」
なみを追いかけてきたのか、かなり可愛い女子が、なみの広い身体の横に見える。
「んー?何と無く話分かるから、聞かなくてもいい。付き合って、とか言うつもりなんだろ?無理だわ」
どうやら、告白を受けてたらしい。
ならば、何故こっちに来れたのだろう?
「じゃ、じゃあ…ファーストキスはもらって!」
顔を真っ赤にして叫ぶ女子。
実は、こう言う会話を聞くのは初めてじゃない。
そして、この後のなみの行動も知ってる。
ちらりとこちらを見たなみは、一瞬だけ考えると、女子を見つめた。
「それぐらいなら、いいぜ」
嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
見たく無くて、顔を俯け、床を睨みつける。
重なる影。
あぁ…何で?
何分経ったのだろう。
目の前になみが立ってる。
「…ゆう?」
「付き合うつもりないんなら、キスしちゃダメじゃん‼あの子、可哀想だよ‼ほら、追い掛けて付き合っちゃえば?かなり可愛い子だったし」