俺の幼馴染が鈍感過ぎる

いつになく苛立った様子のなみ。

そして何故か…


押し倒された。

でも、無理やりでも何でも、なみなら別に何をされてもいい。


「嫌なんだろ?なら、抵抗しろよ」


私は、抵抗しない。


私を押し付けるなみの顔は、何でだろう…苦しそうに見えた。


燈ちゃんは、なみの愛情表現は斜め上で、変なことをしても、それは私が好きだからと言った。


でも…違うと思う。

だって普通、好きな人に見せつけるように、他の女の子とキスしたりしない。

ねぇ、なみ。

あなたの心が、見えないよ。

そう考えたら、何だか泣けて来た。

ずっと一緒にいたのは、何の為?

一緒にいたのに、どうしてあなたの考えがわからないの?


ずっと近くで一緒にいるのに…どうして、私がこんなにも想っていることに気づいてくれないの?

鈍感な…私の幼馴染。


涙が頬を伝うと、申し訳なさそうな顔で私の上からなみがのいた。


何と無く気まずくて…私は、なみの家を出てしまった。


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