俺の幼馴染が鈍感過ぎる

「ゆう、店を出ようか」


燈が叫んで店を飛び出したお蔭で、店員の「静かにしろよ」という目線がいたい。

「う、うん」

その目線に気付いたゆうが、居心地悪そうにソワソワしながら、頷く。

店を出ると、すっかり暗い。

…どんだけ長い時間あそこで喋ってたんだ?

「ゆう、もう一度、言う」

聞き間違いの無いように、一語一語はっきりとゆうに伝える。

「小田 優明さん。あなたのことが、好きです。俺と…付き合ってください」

改めていうのは恥ずかしい。

これで拒否されたらどうしよう。

確実に…心が折れるな。

修復不可能なぐらいに。


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