俺の幼馴染が鈍感過ぎる

どれ位待っただろうか。

ようやくゆうの返事が聞けたのは、それから実に四分後だった。

「ほ、本当にいいの?私で」

「言いに決まってんだろ?」

目に涙を浮かべて、信じられないものでも見るような目で聞いてくる。

いや、さっきアイス屋さんで散々自分の気持ち暴露したんですけど…。

「本当の本当に、私でいいの?」

「ゆうでいいの?じゃなく、ゆうがいいの。分かる?この違い」

「でも、だって「もう、黙れよ」

「ん…」

でもとか、だってとかの言葉は聞きたく無い。

俺が今聞きたい言葉は、付き合ってくれるかの返事。

勿論、ハイ以外の言葉は受付ねぇけど。

だが…でも、とか、だっての言葉しか言わないゆうの口は…塞いでしまえ。


俺は、ゆうの言葉を遮って、キスをした。

キスをして…思い出したく無いことを思い出した。
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