常初花
「あの日…って、なんだっけ?僕なんか忘れてる?」
彼女の涙の意味がわからなくて、僕は焦って記憶を辿る。
ああ、付き合い始めた記念日かな。
そういえば、うっかり何もせずに過ごしてしまった。
「最初の5個は、洋ちゃんが買ってくれたの」
ぽろぽろと涙を零しながら、指でひとつひとつグラスを辿る彼女。
そうだ、最初の5年は僕と沖縄に行っていたよね。
とても楽しくて幸せだった。
じゃあ、何故。
その後は一緒に行かなくなったんだっけ。
あぁ。
なんだろう。
「花、痛み止めないかな。頭が痛いんだ」
ずきずきするんだ。
それにもう、沖縄の話はしたくない。
「ねぇ、花」
「洋ちゃんが死んで、4年が経つよ」
あぁ。
頭が、痛い。
そんな話、したくなかったのに。
頭が痛い。
彼女の涙の意味がわからなくて、僕は焦って記憶を辿る。
ああ、付き合い始めた記念日かな。
そういえば、うっかり何もせずに過ごしてしまった。
「最初の5個は、洋ちゃんが買ってくれたの」
ぽろぽろと涙を零しながら、指でひとつひとつグラスを辿る彼女。
そうだ、最初の5年は僕と沖縄に行っていたよね。
とても楽しくて幸せだった。
じゃあ、何故。
その後は一緒に行かなくなったんだっけ。
あぁ。
なんだろう。
「花、痛み止めないかな。頭が痛いんだ」
ずきずきするんだ。
それにもう、沖縄の話はしたくない。
「ねぇ、花」
「洋ちゃんが死んで、4年が経つよ」
あぁ。
頭が、痛い。
そんな話、したくなかったのに。
頭が痛い。