とけていく…
十.
何日ぶりだろうか。今日は珍しく、朝からしとしとと雨が降っていた。強い風が、窓ガラスを叩くように音を立てている。窓辺に置かれたベッドに横たわりながら、涼は、天井を見つめついた。
紫が昼の十二時から夕方の七時までバイトだというので、彼は暇を持て余していた。この天気では、どこかに行こうとも思えず、ダラダラと過ごしているのだ。
仰向けから、うつ伏せに姿勢を変え、枕元にある漫画に手を伸ばす。パラパラとページをめくるが、すぐに閉じてしまった。何度も読んだ漫画だ。退屈しのぎになど、ならなかった。
おもむろに起き上がり、部屋を出ようとすると、本棚に飾られた由里の生前の写真が目に入った。彼は、屈託無く笑うその写真を見つめていた。
紫が昼の十二時から夕方の七時までバイトだというので、彼は暇を持て余していた。この天気では、どこかに行こうとも思えず、ダラダラと過ごしているのだ。
仰向けから、うつ伏せに姿勢を変え、枕元にある漫画に手を伸ばす。パラパラとページをめくるが、すぐに閉じてしまった。何度も読んだ漫画だ。退屈しのぎになど、ならなかった。
おもむろに起き上がり、部屋を出ようとすると、本棚に飾られた由里の生前の写真が目に入った。彼は、屈託無く笑うその写真を見つめていた。