とけていく…
たいして楽しくもない昼食を終えると、涼はそそくさと済南音楽大をあとにした。駅までの道を歩いていると、自然と涼の口からため息が漏れる。
(なんであいつもコンクールに出るんだよ…)
自分をリセットするために出ることを決めたというのに、水をさされた気がして、涼は憂鬱になっていたのた。そんなことを思いながら歩いていると、後ろから駆け足が近づいてくるのに気が付いた。涼は何気なく振り返った。彼のあとを追っていたのは、正樹だった。
「ちょっといいか?」
軽く息を弾ませながら正樹は言う。その表情は、さっきとはまるで違っていた。とても強い眼差しで彼を見ていたのだ。とっさに涼も身構えた。
「…なんすか?」
負けじと精一杯強がって正樹に返事をする。
「お前が、橋本先生の推薦だと? あんなピアノでヌケヌケと。冗談もたいがいにしろよって言いたいよ。」
正樹は、汚いものを見る目でそう言い放ったのだ。
(なんであいつもコンクールに出るんだよ…)
自分をリセットするために出ることを決めたというのに、水をさされた気がして、涼は憂鬱になっていたのた。そんなことを思いながら歩いていると、後ろから駆け足が近づいてくるのに気が付いた。涼は何気なく振り返った。彼のあとを追っていたのは、正樹だった。
「ちょっといいか?」
軽く息を弾ませながら正樹は言う。その表情は、さっきとはまるで違っていた。とても強い眼差しで彼を見ていたのだ。とっさに涼も身構えた。
「…なんすか?」
負けじと精一杯強がって正樹に返事をする。
「お前が、橋本先生の推薦だと? あんなピアノでヌケヌケと。冗談もたいがいにしろよって言いたいよ。」
正樹は、汚いものを見る目でそう言い放ったのだ。